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経営情報システム アーカイブ

2007年06月11日

昨今の情報システムのトラブル

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 日経ビジネスオンラインで『「情報システム事故」、技術者だけでは防げない』という記事を見つけました。最近そういうトラブルが多いですよね。ANAやNTT、昨日は社会保険庁のオンラインシステムもトラブってました。こういうニュースを読んだり聞いたりすると、「システムやさんは大変だなぁ」と同時に「きちんとテストしとるんかい!?」とも思ってました。

 で、この記事にはこのような事故が発生する原因を追及しているのですが、日経各紙などから引用してます。ここでもそれを上げてみますね。
1)原因を知り、同じミスを繰り返さないことが必要(日経コンピュータ)
2)システム障害防止へIT人材の育成を(日経新聞6/2)
3)企業経営者の意識の問題に行き着く(日経新聞6/6)
これらの指摘は間違ってはいませんし、確かにそうなんです。がこの記事では、それらに加えて「情報システムの問題は全員の問題」と提起しています。

 情報システムでトラブルが発生したときに、「あれはシステムの問題であって、端末の前で客の応対をしている私は関係ない」とか、「本当に、なんで私(たち)がマスコミの前で頭を下げなくちゃいけないんだ」と思っている人がいてはダメだということですね。

 記事には

 情報システムの事故を招く背景には、今日の情報システムが高度かつ複雑に成り過ぎていることがある。現場部門の要請をすべて鵜呑みにしてシステムを開発し続けると、こういう結果に陥る。複数の現場部門から上がってくる要請を整理し、優先順位を付け、本当に必要な機能だけを開発できれば、情報システムを今よりは簡素な形で維持でき、事故が起きる可能性を引き下げられる。ビジネス案件の整理や優先順位付けは、IT技術者の仕事ではなく、経営の仕事である。経営者や現場部門の責任者は、ITそのものの細かい点を理解する必要はないが、ITを利用する目的を明確にし、仕事の優先順位を付けなければならない。
 ITは金がかかるし、万能ではない。場合によっては、IT以外の方法を選ぶべきであるし、事故が起きた時に、ITを使わず仕事を続行できるように準備しておく必要もある。「その業務の作業量はそれほどではないから、コンピューターを使うまでもない。手作業に戻してしまおう」という経営判断があって差し支えないし、そうしなければ複雑かつ高度な現行システムは、さらに肥大化し、事故を誘発する。

とあります。システムが複雑になりすぎていることについては、もう言うまでもないことですね。ましてや、そこにTCP/IPなどという(専用線と比較して)信頼性が低いプロトコルが入ってくれば、技術者が「なんで???」と頭を抱えることも理解できます。
 そこで、記事ではCIOとかITコーディネータ役が入って、システム化要求の優先順位をつける必要があると言っているわけです。まさに正論だと思います。これはシステム化だけの話ではないと思います。企業における全ての業務において、優先順位をつけてその順番の基に業務を遂行していく。言われてみれば当たり前の話です。

 それともう一つ注目したいのは「消費者(顧客)も関係者」という考え方。確かにそうなんですけどね、あまりにもこれを強調しすぎると、顧客離れを招くような気もします。多分、顧客満足を重視しすぎることへの警鐘だと理解すべきなんでしょう。

 情報システム構築における経営者の仕事にも言及しています。記事では「経営者の仕事は、現場が仕事を改革していく社風や環境をつくり出すことである」とあります。これも情報システム構築に限った話ではありません。

 今回の記事は、非常にきれいにまとまっていて、わかりやすかったです。こういう話をする機会は・・・あるといいなぁと思いつつ。

2007年06月13日

ビジネスインテリジェンス!?

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 また日経ビジネスオンラインからなんですが、『ディズニーランド・パリ、BI活用で待ち時間ゼロへ』という記事を見つけました。「うん??、BI?、BIってなんだ???」ってことで、恥ずかしながらBIという言葉を私は知りませんでした。で早速ググってみました(googleの検索結果)。

 でわかりやすく解説してあるページを見つけました。それがアットマークITの記事で、なんと2002年7月の記事『重要性が認知され始めたBIの市場動向』というものです。

 このアットマークITの記事によると、BI(ビジネスインテリジェンス)とは、「膨大な企業情報データを統合的に管理し、これを戦略的経営ツールとして活用し、企業の競争力を高めること」とあります。ちなみに同じくアットマークITの情報マネジメント用語辞典には「企業内外の事実に基づくデータを組織的かつ系統的に蓄積・分類・検索・分析・加工して、ビジネス上の各種の意思決定に有用な知識や洞察を生み出すという概念や仕組み、活動のこと」となっています。

 ということは、私が受験時代に習ったDSS(意志決定支援システム)からの流れで出てきた概念、ってことなんだということは判りました。でも2002年にはもう国内での導入云々という記事があるわけですから、常識的な用語なんですね、BIって。いやぁ~、不勉強で恥ずかしいですが、まあ「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」ってことで。

 で、このBI、機能としては(1)データの統合、(2)データの分析、(3)データのレポーティングに分けられるとのこと。
(1)データの統合
 社内・外にある「形式や構造がまったく異なるデータを統合」することなんですが、単純に考えると、「それってめちゃくちゃ難しくない??」と思います。記事には統合用のツールがいくつかあるようですね。
(2)データの分析
 これは、OLAPやデータマイニングのことのようです。
(3)データのレポーティング
 「導き出された情報が経営者の意思決定や経営判断に使えるレポート」を作ることだそうです。

 なるほど、DSSよりかなり進化しているようです。あふれるほどある様々な情報を統合・分析して、企業経営に役立てることという意味ではDSSと同じかも知れませんが、「問題の事前察知」のための分析ツールも用意されつつあるということですから、進歩度合いはかなりなものだと思います。

 この記事を読んで、「大企業だったら、カネ・ヒトという資源が豊富だからなんとかなるとは思うけど、中小企業はどうするんだろう・・・」という疑問が湧きました。日本の企業の90%が中小企業ですからね。それを無視することはできません。でも記事を読んでいくうちに、日本では大企業といえども導入がうまくいっていないことがわかります。その課題を書いてあるのが『ビジネスインテリジェンス導入を巡る日本の課題』という記事。この記事の導入部分にある「ユーザー企業自身が、顧客の顔が見えなくなっている」という言葉、「なるほど、確かにそうだよなぁ」と感じました。「企業内には数多くの情報がはんらんすることになり、とても処理ができないほどのデータが蓄積されることになった。顧客を知るために蓄積したはずのデータが処理できずに、結局は顧客の顔が見えないというジレンマに陥っている」というのです。

 中小企業の場合、情報が氾濫するほどまで至っていないというか、データから情報に変換するすべを知らないというのが現状じゃないかと思います。売上データや顧客データなどでも表面的なものは、データ共有できているところは多いと思いますが、データに意味づけして「情報」にしている企業は少ないんじゃないかと。

 つまり私が何回も言っている「データを骨までしゃぶれ」が実践できていないということだと思います。大企業に追いつき追い越すためには、まず必要なデータ収集から始めないとということです。ここで言う「収集」は、データそのものをいろんなところから集めてくる・・・ってことではありません。企業に蓄積されているデータを加工して、新たなデータを作ることです。

 言うのは簡単ですが、実行するのは難しい。経営者からよく聞く言葉ですが、実行しないとひょっとすると来年会社がないかも知れないという危機感があるのならば、やらざるを得ないと思います。

 今回のディズニーヨーロッパの記事、いろんなことを勉強させてくれた記事でした。

2007年06月15日

ソーシャルエンジニアリングって

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 一昨日に引き続き、知らない言葉が出てしまいました。それがITMediaのニュース『「ISPの委託業者です」という電話に要注意、IDやパスワード聞き出す詐欺』です。この記事の中に「典型的なソーシャルエンジニアリングの手口だ」とあります。えっ、ソーシャルエンジニアリング???、ソーシャルエンジニアリングって社会工学なんだけど、文脈からすると違うよなぁ・・・。ってんで、いつものようにググってみると、ありますあります。でwikiには「ソーシャル・エンジニアリングは、人間の心理的な隙をついて、個人が持つ秘密情報を聞き出す方法のこと。ソーシャル・ワークとも呼称される」とあります。ほほ~~、そうなんだ!?。いや~~、また無知がばれてしまいました。

 でせっかくなんで、いくつかのサイトを見てみました。ITMediaに面白い記事を発見しました。それが「あなたを狙うソーシャルエンジニアリングの脅威」です。でこの記事を読んでみると、なんと去年の記事じゃないですか!?。そうすると一昨日のBIと同じように、私が知らないだけだったんですねぇ・・・(^^;。

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2008年01月10日

電子入札に必要なものは


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 年末にお客さんから「電子入札」について質問され、「うちもやるからお任せね」と言われてしまいました。
 ちらちらと調べていたのですが、ようやく第一報をお客さんに送りました。

 電子入札を行うためには認証用のICカードが必要。それはどうやって入手するかというと民間の認証局から購入することになります。そのICカード、いくらすると思います??。まあカード自体は百円程度なんでしょうけどね、そこに入っている情報代がすごい。有効期限が違うので単純に比較するのは問題がありますけど、13ヶ月有効でおおよそ1万5千円します。
 最初、この金額を見て「うそっ!?」と思っちゃいました。それとこのICカード、会社に1枚じゃなくて担当者1人に1枚なんですね。だから担当者が3人いると3枚は作らないといけません。またICカードが不良になったことを考えると予備もいりますよね。だから担当者が3人いると最大6枚必要になるということですね。単純に考えると9万円要るということです。
 1ヶ月当たりの単価で見ると、高くて1,200円で安いところで800円くらいのようです。これを安いとみるか高いと見るかの判断は難しいですけどね。

 実は商業登記もICカードになっていて、個人認証も市役所などで作成可能ですから、それをうまく組み合わせると新たな認証用のカードなんて必要ないと思うんですけどねぇ。まあ、カードを持っている担当者が、その会社に在籍していることは証明出来ないですから、ダメというのも判らないではないのですが。

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2008年05月12日

むむむ、OKIがopenPNE!?

 ITMediaの記事によると『沖電気、OpenPNE活用の企業内SNS導入支援サービス』ということで、オープンソースを利用したSNS構築サービスを開始するそうです。
 価格としては「構築サービスは1サーバ当たり38万円、年間保守サービスは同60万円など」ということで、まあまあの値段ですね。社内SNSを構築しようと考える企業は結構規模の大きなところだけでしょうから。小規模のところだったら、SNSを使う必要ないでしょうし。

 これからもこういう商売が流行ってくるんじゃないでしょうか!?。SNSがいいかどうかはわかりませんが、優秀なソフトはたくさんあります。クライアントレベルでいえば、OpenOffice あたりは Microsoft Office の代替品としてはマクロ以外はまったく問題ないですからね。
 とはいえ、マクロを使った簡単なパッケージを作成・販売しているところのソフトを使うにはちと難しい。それとネームバリューという2つの点でなかなか中小企業には導入されていないのではないでしょうか。

 なんでこの記事に注目したかというと、今診断士のグループでオープンソースソフトウェア研究会というものを立ち上げたからです。周りの診断士からは、かなりマニアックな研究会だと言われていますが、まあ仕方ありません。オープンソースソフトウェアという言葉自身を聞いたことがない人たちがほとんどでしょうし。
 先日もその会合があったのですが、うまくすれば大化けする可能性ありだなと思っています。乞うご期待というところでしょうか!?

2008年06月26日

ダウングレード!?

 24日のITMediaに『Windows XPはダウングレード権で存続――MSは正しい選択をした』という記事がありました。配信はeWeekという海外メディアです。

 本当に正しい選択だったんでしょうかね!?。まあ、6月を過ぎてもXPを求める企業はたくさんあるでしょうから、マーケットニーズを考えれば致し方ないというところなんでしょうか?。でもダウングレード権って・・・。vistaはCDもしくはDVDメディアで添付されて、本体にはXPが入っている。DELLなんかは安い製品にはオプションで販売するようです。私に言わせればvistaなんて要らないんですが。

 vistaもそうですが、officeもなんとかならないもんでしょうか?。先日は初めて伺ったお客様のところで、今日は学生が持っているPCでoffice2007が入っていたのですが、まぁユーザインターフェースがねぇ・・・。以前のofficeに慣れている人が2007を触れば絶対に戸惑います。ひどいもんですわ。

 office2003も販売してくれないかなぁ・・・。

2009年01月16日

いや、こんなのはダメでしょうに

 今日は岡崎商工会議所の第4回「ITマネジメント研究会」の日で、30分ほどマーケティングの話をしてきました。前回と今回の主題は「WEBマーケティング」、小手先の話よりも本質的な話が必要ということで、4P・4Cやら顧客の細分化の話を中心にしてきました。で担当者からは若干SEOに対してもコメントしてほしいとのことで、一応資料はつけたのですが、時間的に無理があって省略させてもらいました。

 で帰ってきて見つけたのがこのブログ「マスコミでは言えないこと<イザ!支社>」の『SEOが無意味になる。infoseekが示唆する未来』という記事。このエントリーに示してある本家のページ(SEOが無意味になる。infoseekが示唆する未来)を読んでびっくり。
 そこには infoseek や goo で「不動産」と検索したときの1ページ目の1画面にはスポンサーサイトしか見えないとある。リンクがある infoseek はたしかにそうですね。じゃあ goo はどうなんだろうと思って実際にやってみました。たしかに1画面目はスポンサーサイトしか見えませんでした。
 いや~、たしかにこんなんじゃSEOという言葉の意味をなさないですね。SEO対策って頑張って検索結果画面の一ページ目に現れるようにするんですが、結果の最初に出てくるのがすべてスポンサーサイトじゃあねぇ。

 そりゃスポンサーから金をもらって運営している訳ですから、スポンサーに対して最大の配慮をするのは理解できます。でもその結果として、web検索の結果が最初に出ないのであれば、検索サイトとしては失格です。ユーザが離れていく可能性が高い。そうするとスポンサーサイトをクリックする人が減ってくるから、スポンサーとしてはそんな検索サイトにお金を出さなくなる。でサイトの運営が出来なくなる。
 こんなことは誰でも判る話ですよねぇ。一体何を考えているんでしょう。

 大西さんがブログで『デジタル家電で市場の小選挙区化が加速してきたようだ』というエントリーを書いていますが、検索サイトも同じようになっているのかも知れません。やっぱり googleyahoo ですもんね、検索サイトと言えば。



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2009年03月12日

レセプトの電子化で考える

 先日、池田先生のブログで『診療報酬をごまかす権利』というエントリーが出ました。
 このエントリとコメントを見て思います、電子化とうのは情報化ではないのだと。情報化はいままでのやりかたを見直すこと、私たちが言っている「業務の見直し」が導入段階で実施するんです。電子化というのは今やっている業務をそのまま情報システム上に構築するだけ。人手でやっている業務(作業)をそのままソフトウェアに置き換えるのって結構大変なんです。だから、実際に作業する人にとって楽になり、かつソフトウェアを作る側も仕様を明確にできるように、業務の見直しをするんです。

 私企業の場合、存続目的は「適正利潤の追求」ですから、無駄なやり方を排除することを考えます。でも役所は「効率性」ということを主目的にしていません。極論ですが、ある意味「非効率性」を追求しているんじゃないかと。
 だからソフトウェアを導入しても人手を削減することもしないし、いままでのやり方を踏襲しようとします。そのため使えないシステムが出来上がる。また作ったソフト代金も膨大なものになってしまう。私企業では考えられないことです。

 でこの「レセプトオンライン」システムを作っているのが某電話会社の子会社なんんですよ。ここって半分官僚みたいなものですから、客の言うことをそのまま聞いて高い費用を請求する会社なんです。又聞きで申し訳ないのですが、ある士業団体の役員からこの会社のやり方を伺うことがありました。コンサルタントとして社員を派遣して1千万円以上請求したとのことで、「えっ、そんなに取るんだ!?」と言っちゃいました。その金額以上の成果が出ればそれもいいんですが、その役員が言うにはまったくそういうことはないようで。

 池田先生はレセプトの電子化に反対するのは医者が診療報酬をごまかすことができなくなるからと書いています。まあそういう面もあるとは思いますけど、厚生労働省の診療報酬決定のシステムというか基準がおかしいというところまでは言及されていません。ここもきちんと書かないとちょっと片手落ちのような気がします。まあそれを言い出すときりがないんでしょうけどね。

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