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日本語力 その2

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 昨日に引き続きの話題。IZAの【大丈夫か日本語】シリーズの『(中)押し寄せるITの波』からです。

 実は私も漢字を書くという能力は毎年低下していると自覚しています。週に1回、大学の教壇に立つのですが、そのときにふと漢字が思い出せないことがあるんです。もうショックが大きいです。記事には「キーで変換すれば色々な漢字が出てくる。読める字は増えたという人もいるが、書ける字は確実に減ったはず。せめて幼少期には手書きで体に漢字を覚え込ませることが必要なのではないか」とありますが本当にそう思います。漢字を書くには、反復練習しかありません。
 それと句読点の使い方もそうですね。このブログを書くときもすごく迷うようになりました。以前は頻繁に使っていたのですが、多すぎるのも読みづらいんですよ。ところで、句読点というのは「、」と「。」なんですが、どっちが句点でどっちが読点か知っていますか?。「。」のほうが句点で「、」のほうが読点なんです。意外と勘違いしている人もいるようです。
 文章が長くなれば、いきおい読点の数が多くなってしまいます。でもそれって論文でもない限り、不自然なんじゃないかと思うようになってきました。だからなるべく文章を分けるようになってきています。

 それが極端になると・・・ではないのですが、
---------- 引用開始 ----------

 しかし、携帯メールに詳しい日本大学文理学部の田中ゆかり教授(日本語学)は「(携帯メールのコミュニケーションで)新たな語彙(ごい)を獲得するのは難しい」とみる。そこでのやりとりは親密な間柄の「おしゃべり」に限られるからだ。丁寧な言い回しや敬語といった配慮表現が絵文字や記号に取って代わられることも多く、言葉を尽くして伝える訓練にはならない。
 「短文化」も加速している。田中研究室に在籍していた立川結花さんが平成17年、大学生の携帯メール約400件を分析したところ、1件平均の文字数は約30字で、5年前の調査結果の3分の1にまで減っていた。「相手に悪く思われないためには、30秒以内に返信するのが暗黙のルール。送受信の頻度は上がり、極端な場合、1文字だけのメールがやり取りされることもある」(田中教授)のが実情だ。
 興味深いデータがある。
 独立行政法人メディア教育開発センターは昨年、大学生約1200人の1日平均の携帯メール送受信回数と日本語の基礎学力の相関関係を調べた。「中学レベル」と判定された学生の平均が1日約32回だったのに対し、「高1レベル」は約27回、「高3レベル」は約15回。送受信回数が多い学生ほど日本語テストの点数が低いという結果が出た。
 「言葉足らずなやりとりなので、送受信回数は増える。結果として、読書などの時間が削られ、語彙力の低下を招いているのではないか」
 調査を取りまとめた小野博教授(コミュニケーション科学)の分析だ。
---------- 引用終了 ----------
とメールの弊害を指摘しています。確かに仲間内になればなるほど、私にも「短文」になる傾向があります。早くメールを返信したい。それだと長い文章を入力する時間がないんですよね。携帯メールに届いた質問をPCのメールで送るということもよくあります。質問の回答を携帯メールで送るというのは、いらちの私には無理です。

 なんで入力が遅くなるのか。それは日本語が漢字かな交じり文で、かな漢字変換を使うからです。でもだからと言って漢字を使わないようにするというのは、極端に走りすぎだし、大馬鹿者だと思います。この記事にあるizaブログをたどっていくと「佐藤聖子さん日記」の『漢字を減らせ』に「カナモジカイ」というリンクがあります。ここを見てみると、主旨はわからないでもないのですが、呆れてしまいました。だからリンクは張りません。韓国と同じようにしたいんでしょうか。韓国は人名以外の漢字を排斥し、ハングルだけにしてしまいました。そのせいで、韓国では古い文献を読むことが出来なくなっています。カナモジカイは韓国の二の舞をさせたいんでしょうか。
 日本語に漢字とかなが混在しているというのは、ものすごく意義のあることだと思っています。学校で教える漢字を減らすなんて言語道断。学校でどんどん文章を書く練習をしていけば、漢字は覚えられます。ただ覚えるために必要な時間は個人によって違いますから、そこをどうやって教えるのかは学校教育の問題だと思ってます。

  記事の最後には
---------- 引用開始 ----------

 本の街、東京・神田神保町にある国語作文教育研究所。所長の宮川俊彦さんは長年、企業や官庁の昇進や入社試験の論文などに目を通してきた“表現の定点観測者”だ。約400社から依頼を受けた昨年は、1000作近くを読んだ日もある。実感するのは「語彙が乏しく、表現力が極めて低下している」ことだ。
 音楽関連の会社が志望者に課した「友情」というテーマの論作文がとりわけ印象に残っているという。「友情は大事」「友達は大切。いつまでも一緒にいたい」…。乏しい語彙で、わずか数行しか書いていないものがかなりの数に上った。
 宮川さんは言う。
 「昔と違って電話やメールがあれば隣近所で協力し合わなくても生きていける。無理にコミュニケーションする必要がないから、知らない言葉に出くわしても『あの人の話わからない』で済ませればいい。そんな環境の変化も影響しているのではないか」
 IT化の流れはいや応なしに進む。新時代に対応した日本語教育はどうあるべきか。明確な答えは、まだ見えてこない。
---------- 引用終了 ----------
とあります。これは【大丈夫か日本語】(下)に続くための文章なのですが、それについては次のエントリーにしたいと思います。

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2007年05月02日 15:25に投稿されたエントリーのページです。

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