« 30代独身女性の間で起業ブーム!? | メイン | 山崎製パンの思惑 »

文明社会の表と裏

人気blogランキングへ ←クリックプリーズ

 ちょっと古い話題(と言っても2月末の話なんですが)ですが、高知県の東洋町で高レベル放射性廃棄物処分場建設に、町長が住民の意見を無視して手を挙げたことで町を二分する状況になっていることが報道されました。
 高知新聞では反対運動の様子を記事にしています。また読売新聞は原子力発電環境整備機構が初期調査(文献調査)の実施許可を経済産業省に申請したとあります。

 なんでこんな町を二分するようなことになったのか。それは反対派は高レベル放射性廃棄物が地元に悪影響を及ぼすことを心配しています。放射能の直接的被害のみならず、風評被害も出る可能性も高い。だから反対する。他方推進派は処分場建設で町に落ちる補助金と雇用拡大を考えています。
 両方とも言い分は判ります。特に補助金については初期調査だけでも数十億円が町に落ちますから、町の財政はめちゃくちゃ良くなることは間違いありません。あるブログでは「地方の市町村の抱える借金の問題は東洋町だけの問題ではない。たぶん、この一件の成り行きを真剣なまなざしで見守っている地方自治体もかなり在るはずだ。この件の成り行きによっては、今後手を挙げる自治体も複数出てくるものと予想される。」とあります。

 今回は高レベル放射性廃棄物というとてつもなく危険なものなので、大きく話題になっていますが、廃棄物の処分場というもう少し抽象的な話題で考えてみます。愛知県ではまず間違いなしに廃棄物の中間処分場・最終処分場は新規に開発することはできません。でも毎日一般・産業廃棄物は排出され、処分場に運ばれます。一部はリサイクルされていますが、100%リサイクルされる訳ではありません。一部はどうしても埋立せざるを得ないものが出ます。
 処分場を作ることになると、まず間違いなしに地元住民の反対が起こります。私の知っている処分業者は10年以上掛けて、地元住民の理解を得たとその苦労を話してくれました。でも処分場は必要なんです。誰しもそれには反対しませんが、近所にそれが出来ることには反対なんです。

 総論賛成、各論反対。こうなると穿った見方をすれば、「エゴ」になります。今回の放射性廃棄物の問題の根本は、結果だけを見ると国の原子力政策の失敗です。廃棄物の処理方法について、これだけ問題になるとは考えていなかったことが根本問題だと思います。でも、それを指摘しても、映画のように過去に戻ることはできません。だから対処療法として、処分場を補助金というにんじんを財政が厳しい地方公共団体の前にぶらさげて、作ろうとしている訳です。

 今回の問題について、どちらが正解かということを判断できる立場ではないです。町長の独断というのは問題外なんですけどね。でも私としては、大所高所に立った視点をもう少し入れてくれないかな?と感じています。まあ、自分に降りかかって来たとき、どうなるかは判らないですが。
 ただ、どこかに作らないといけないということは忘れないでほしいと思ってます。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.officedora.com/mt/mt-tb.cgi/1133

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2007年03月06日 12:49に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「30代独身女性の間で起業ブーム!?」です。

次の投稿は「山崎製パンの思惑」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Creative Commons License
このブログは、次のライセンスで保護されています。 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス.
Powered by
Movable Type 3.35