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 先日来、twitter で #hikari_road で活発に議論がされています。これは4月20日に総務省がグローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース「電気通信市場の環境変化への対応検討部会」第9回会合でソフトバンクの孫社長が『「光の道」の実現に向けて』という意見を出したことから始まります。

 孫社長の話は簡単に言うと、日本全国津々浦々に光ケーブルを張り巡らそうというものです。でもこれは、やり方をうまくすれば、利用者の負担はあまりないよとも言っています。

 で、これについていろんな意見が噴出しました。池田さん佐々木さんは反対意見を表明しています。

 学生時代少しだけ無線関係の勉強をしていただけの私には、どなたの意見が正しいのかどうかの判断はつきかねるのですが、一番すっきり受け入れることができたのは佐々木さんの意見。特に「まず間違えてはならないのは、ブロードバンドの「インフラ」「普及度」「利用度」はそれぞれ異なるレイヤーであるということだ。」という部分です。これはものすごく重要なことで、これがぐっちゃぐちゃになると話が発散してしまいます。で、私もこの3点で考えることにしましょう。

 でインフラについてなんですが、佐々木さんは「光ファイバー(FTTH)に関していえば、人口比で90%にあたる全長60万キロのFTTH網はもう整備されている。だから「インフラ」はすでに90%できあがっている。」と言っています。この数字は間違っていないとして、90%って多いですよね。でもこれが地理的な普及率だとぐっと下がってしまいます。これは人口が集中している地域とそうでない地域があるからなんですが、孫社長の資料によると「田舎や離島にも光100%」とうたっています。
 人口が千人を切るようなところにも光回線を引っ張るというのはコスト的に合うんでしょうか。孫社長は「一括工事でやればコスト削減」と言っています。まあ、バラバラやるよりは安くなるのは自明なんですけどね。でもこれは、池田さんが言っているように無線にしたほうがもっと安くなるんじゃないでしょうか?。電線引っ張るより、ちょっと遠くの基地局を建てるほうが安くなるような気がします。

 「光の道」というのは言い方を変えれば、高速回線を日本中に張り巡らせることです。別に光ケーブルしか高速回線にできないということではないはずです。話は脱線しますが、実はうちの事務所はまだADSLを利用しています。でもそれほど遅いとは思えないんですよね。ブロードバンドという言葉がありますが、この定義が問題で、wikipediaでは「一般的な意味の「ブロードバンド」、すなわち広帯域幅であること。」とあります。通信の世界では「ISDNの一次群速度インターフェース (PRI: Primary Rate Interface) な1.544Mbps (T1) 及び2.048Mbps (E1) よりも速い通信速度の回線の広帯域ISDN (B-ISDN) に使われ出した。」とありますので、現在のADSLや光回線はブロードバンドに当たるかと。EMobileでも8Mと言ってますから、これもブロードバンドですよね。
 日本全国津々浦々に高速回線を張り巡らせることは非常に良いことだと思いますが、でもそこに光ケーブルである必要性は今ひとつ見えないところではあります。

 普及度と利用度については、佐々木さんの仰る通り。老人家庭に軒先まで光ケーブルが引っ張ってあっても、それを利用するかどうかは別問題。遠隔医療を行うには必要であるという話は理解できるのですが、それに必要な機材などは誰が用意するんでしょうね。その老人家庭が用意するというのは、費用負担という面でかなり難しいのではないかと。
 利用する立場からいうと、どんなサービスがあるかがその大きな要因になります。そのメニューがたくさんあればあるほど、使いたくなるサービスが多ければ多いほど、利用度が高くなります。そこを無視しては、誰も使わない不要なものになってしまいます。つまり「ユーザー視点」が大きなポイントなんですね。
 それともう一つ、そのようなサービスを利用するときに、大きな負担がなければないほど利用度は上がることに注目しなくてはいけないことだと思います。話はちょっと違うかも知れませんが、先日ここのブログでも取り上げた電子書籍ですけど、多分リーダーがタダかそれに近いような金額で入手できるのであれば、利用者は確実に増えてくると思います。そうなると kindle であろうと、ipad であろうと、はたまたソニーのリーダーであろうと、読みたい本があるリーダーを使えばいいだけになります。

 
 でも、これは私企業の論理でもあります。公共サービスという面では異なるところがあります。インフラを整備するということは私企業では無理です。行政が行う必要があるのは自明な話です。今回の話において、インフラの整備と普及・利用というのはある意味、「鶏と卵」に似ているような気がします。
 とは言え、私はやはりユーザの要求が最初に来るのではないかと思っています。携帯電話だって最初は都市圏だけで、田舎のスキー場なんかは使えなかった。でもユーザーからの要求が高くなってきたことと、キャリアの市場占有率を重視するという2つのことからどこでも使えるようになってきています。
 ただ、インフラ整備は事実上NTTしかできないところが大きなネックです。電力会社も出来ないことはないのですが、地域に分けられていますから、その接続がちょっと難点なんじゃないかと考えます。ところがNTTは東日本と西日本の2つに分かれていますが、もともと1つだったところです。こっちのほうが簡単に接続できるんじゃないかと。

 
 ただ、この問題というのは、現状だけで考えるというには片手落ちとも言わざるを得ないのかなとも思います。将来を見据えることは大変重要でして、それがないというのは非常に問題がある。現状では愚策と言われるかも知れないが、将来「あのときやっておいてよかった」と言っているかも知れません。
 未来を予想するのは難しいですが、政府として「日本全国に高速回線網を張り巡らせる」という政策を打ち出すことはいいことだと思います。そして、その具体的手段は民間に任せて、手法にこだわる必要はないのではないかと。

 なんか、曖昧な話で終わったような気もしますが、今私が考えているところということで。

 
 対談の方法が、かなり変わったようです。詳しいことはケツダンポトフの「孫正義さん×佐々木俊尚さんの『光の道』対談をダダ漏れします」を読んで下さい。

2012年5月

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