中小企業診断士の最近のブログ記事

 今日、正式に2次試験の合格者が発表されました。
 全国で790名の方が合格で、合格率は19.7%。若干高めかなという気がします。

 実は、名古屋地区では筆記試験の合格者より今回の合格者は少なくなっています。受験地の変更もあったのですが・・・、まあそういうことですわ。
 ちなみにラフな服装でも口述試験にはパスされていますので、不合格の理由が服装ではないことがわかります。ただ、受験案内にそれなりの服装で来るようにと書いてあるはずですので、ラフな格好で来るこというのは書類に目を通していないということ。これってビジネスマンの基礎知識だと思うんですが・・・。

 とにもかくにも合格された方、おめでとうございます。この次に待っているのが実務補習。これは大変なんですけど、やりがいがあるものです。忙しいでしょうけど、できれば15日間コースを選択してくれるといいなと思ってます。
 なんでかというと、15日間コースは3企業ともメンバーが固定されてまして、ものすごくメンバー間のコミュニケーションが良くなるんです。ある意味一生の付き合いになる友人が出来るかも知れません。そういうチャンスを逃して欲しくないなと思う訳です。

 実務補習を受ける人は、是非1次試験での教科書をよく読み返しておいて下さい。1次試験での知識を実践の場でどう活用できるかが、ある意味キーポイントになると思っていますので。

 これから冬本番です。体調崩して補習に参加できなくなってしまうなんてのは、悔やんでも悔やみきれない話ですから、体調に十分注意して実務補習に臨んで下さい。
 名古屋地区で受けられる人は、顔を合わせるかも知れません。そのときには、こっそりと教えて下さいね。

もう12月も下旬に入り、慌ただしさが激しくなってきています。今年はありがたいことに中小企業支援ネットワーク強化事業のアドバイザー(ちなみにこの呼び方は中部地区だけとのこと)に登録され、地元金融機関と連携して地元中小企業の経営サポートをすることになりました。12月は年末ということもあってその相談もいつになく多めで、それでなくてお師走は慌ただしいのでてんてこ舞いという状況です。

 そのネットワーク強化事業で、先月と今月は小売業のところにお邪魔することになりました。生活必需品じゃないものを販売している(なんか言い回しが変なのですが、いろいろ書きづらいところがあるものですから)企業が売上を確保するのにきゅうきゅうとなっているのを見て、思うところがありました。

 それがソニー損保ののコマーシャルで流れる、奥田民生さんの曲「And I Love Car 」です。

 冒頭に『車はあくまでも快適に暮らす道具』という歌詞が流れます。これって、今の小売を象徴しているような気がします。
 私がまだ若い頃は、車を持つことがステイタスでもあり、借金(ローン)を抱えて苦しい生活をしながらもかなりの若者が車を買っていました。極端な言い方をすれば、「車を買うのって当たり前」なんです。車を買わないという選択肢はなかったんじゃないでしょうか。

 ところは今は違います。はっきり言って若者の自動車購入欲はどんどん下がっています。所得が低いこともあるのでしょうが、車を持つ意義を感じていないのです。歌詞ではないですが、「車は道具」なんですね。移動する道具、自分だけの空間を作り上げる道具なんですが、その代替品が手近にあるものだから、自動車という高いものを買う必要がない・・・と考えています。

 そういうなかで、どうやって自動車を買ってもらうのでしょうか。いくつかの解答が浮かぶのですが、結局のところその人のライフスタイルに合致するもしくは価値観を刺激する提案がないとダメなんじゃないかと思うのです。

 これは自動車だけという問題ではありません。生活必需品以外は全て当てはまると思います。それがうまく提案できていないから、価格競争に陥ってしまうのです。例えばiPhoneに代表されるスマートフォン。これって技術的に見れば昔発売されていたPDAとあまり差がない。でもPDAとの大きな違いはネットに簡単に接続できるかどうかです。
 このネットに接続することで使用範囲が拡大し、個々人のライフスタイルに合致したから、売れているんです。じゃあ私が趣味にしているカメラはどうでしょう。それなりの台数は出ているようなのですが、まず間違いなしに購入される人は価格を気にします。これがカメラを持つことでライフスタイルを豊かにする提案がされていれば、価格をあまり気にしないのではないでしょうか。

 「???」がある豊かな暮らしをメーカーが提案できるかどうか。それが売上を大きく左右する、そんな時代になってきたことを再認識し、それに沿った販促をするべきなんです。そういう提案は中小企業にとってはかなりハードルは高いとは思います。思いますが、それに甘んじていては商品は売れないのです。

 今日から師走。いよいよ年末が見え始めてきました。年内に片付けないといけないことが山積しているのですが、どうなることやら・・・。

 そんな暗い気分を吹き飛ばして、とても嬉しいニュースが飛び込んできました。中小企業支援ネットワーク強化事業で私がお手伝いさせて頂いている「アカマツコートテック株式会社」が、あいち中小企業円高対応支援基金助成金に見事採択されたんです。
 この助成金は昨今の円高で苦しんでいる中小企業に対して500万円以下で2/3補助するもので、「製品の高付加価値化、新商品開発、販路開拓などの新事業展開」のためのものです。

 募集要領には、審査委員会の審査にて申請者に出席いただく場合があります」とか、また必要に応じて現地調査を行う場合がありますとあったので、書類審査のあとに呼び出しがあるんだろうなと思ってました。国の補助金はそういうのが多いんです。
 で、何も音沙汰がなかったので「こりゃダメだったかなぁ」と思っていたのですが、なんと採択事業一覧表にその会社の名前があるんです。本当は昨日発表だったのですが、見逃してました。今日出勤してから思い出してあいち産業振興機構のページを確認したのでした。

 国や地方自治体が公募する書類は、あまり接する機会がない中小企業にとっては、かなり書きづらい書式になっています。それもあって、私のほうでかなり手を入れたのでした。その甲斐があったのかなかったのか判りませんが、本当によかったなと。

 これまでいくつか補助金申請のお手伝いをさせてもらいました。5割まではいきませんが、まあまあの確率で採択されています。これからもこんなお手伝いができると嬉しいですね。

 先月末(31日)、ひょんなことから国会議員(前原民主党政調会長)のスピーチを聞くこととなりました。30分だったのですが、原稿なしで今の国会情勢などを話したのですが、非常に聞きやすいというか、立て板に水のようでした。

 さすがに国会議員だよなぁと感じ入ったのですが、ではその中身を覚えているかと言われると・・・、あまり残っていないんですよね。まあ、私があまり興味を持って聞いていなかったせいでもあるんですが。

 実は先月は2つのセミナーで講師をやったのですが、自分自身を振り返ってどうなんだろうと考え込んでしまったんですね。1つは金融機関が主催する経営塾で、もう一つが商工会議所の創業セミナー。経営塾は途中早口になることもなくぴったり時間に収まって、「いや~、時間ぴったりだわ」と自分で褒めてしまいました。創業セミナーは午後の後半から早口というか内容もかなり端折ってようやく時間内に収まったので、事前準備が少なかったよなぁと反省していたんですけどね。

 その昔、講師養成コースで学んだとき「講師が調子よく話している授業は、受講生には残らない授業だ」と言われた記憶があります。たしかにそうかもしれないなとそのとき思ったのでした。ここは絶対に覚えてほしいところは繰り返し話します。ところが「立て板に水」状態では、その重要性がうまく伝わらないことが起きてしまう場合がままあるんです。
 じゃあ詰まりながらしたほうがいいのか?と聞かれるんでしょうが、それだと「話が下手」という印象しか残らない可能性が高くなります。適度にメリハリをつけて、覚えて欲しいところは間を於いて再度繰り返すのがいいとのこと。

 授業の場合、黒板やホワイトボードを使いますので、最低限のところは板書でなんとかなるのですが、手元に資料がなくてスピーチのみだったら・・・、まあそんなところで話すことは99.9%ないとは思うのですが、非常に怖いなと。
 これが漫談のようなものであればいいんでしょうけど、残念ながら私は冗談を言うのが非常に下手で、まず笑いを取るような話し方はできません。
 なぜそんなことを思ったのかというと、実は12月に豊橋で ustream の生放送に出ることが決まったから。事前に話すことは決まっているのですが、政治家のスピーチを聞いたことでちょっと不安になってしまったんですよ。

 印象に残るスピーチというか話し方、誰かレクチャーしてくれないものでしょうか!?

 前のエントリーから1ヶ月近くという、かなり間があいてしまいました。ようやく事務所の移転前と同じパターンに戻りつつあります。
 でも1つだけ変わったことがあります。それは電車通勤。前の事務所は車で通勤してましたから、出社時刻がかなりいい加減だったのですが、電車通勤になった途端(まあ当たり前ではあるのですが)、決まった時刻に出勤です。普通の企業に勤めている人たちから比べると、まあ1時間程度遅くはありますが。

 今年はひさびさに実務従事事業の指導員をやってます。これは主に企業内診断士が、実務ポイントを得るためのもので、今6名の企業内診断士が私の事務所に集まってます。診断先企業は私の顧問先・・・ではないのですが、かなりよく知っているところです。最近はとあるところから、この企業のてこ入れを打診されていたこともあって、今回の実習先にしました。

 実務補習も似たようなところがあるのですが、やはりグループで診断するのはいいですね。私が整理しきれていないところをメンバーがやってくれますから。一人だとあれもこれもといろいろ考えすぎてまとまらない。でも複数人で議論・相談することで、交通整理ができて経営目標もきちんと決まります。

 診断士が行うコンサルは、他の士業や業界コンサルとは違って、最初にゴール(経営目標)を決めてそこにどうやったら辿り着けるかを考えます。このゴールが間違っていると最悪の場合事業継続が困難=倒産も考えられます。今回の実務従事、メンバーが分担してくれるから本当に助かります。

 診断士はコーディネータであり、企業と専門家を結びつければ仕事は半分以上終わったと考えていい。そういう意味でいかに多方面に人脈を作ることができるかが勝負の分かれ目。今回、同じ診断士ではあるけれど、年齢・経歴がまったく異なる人たちと知り合えたことは本当に嬉しいことなんですね。
 感謝・感謝です(でもこれもすぐに忘れてしまうのがダメなところなんですが)
 

 昨日、名古屋で白書の説明会を聞いてきました。私が診断士を勉強していた頃から言われていた「開廃業率の逆転現象(廃業率が開業率を上回っていること)」がまだ継続していることと、欧米に比べて開廃業率がかなり低い(半分程度)であることを言っていました。
 また、事業承継や転業の話も出てきて、今回の説明会はかなり勉強になったなと思います。

 世の中スクラップアンドビルド、つまり必要な企業が生まれて不必要になったものは亡くなっていくが常。従って欧米並みの数値(約10%程度)に引き上げることが、経済のダイナミック性を高めるためにも必要なことになります。ここで問題になるのが、何故高くならないのかという点です。
 経済学者の人たちはいろいろ言っているとは思いますが、私としてはほとんどの日本人が安定志向になってしまったからだと思います。それを裏付ける・・・かどうかは判りませんが、読売新聞の発言小町(主に主婦層を中心とした女性が多数を占める掲示板みたいなもの)で見つけました。それが『娘を自営業の人に嫁がせたくないのはわがまま?』というトピックス。

 もし、これが日本人特に母親の本音だとすると、自営業の男性には下手をすると嫁が来ないことになってしまいます。中には自営業の男性に娘を結婚させることを肯定している人もいますが、かなり割合は少ないですね。中には独立志向を持っている男性には結婚させないと言い切っている母親もいるみたいです。

 とある会社の社長さんがいらっしゃいます。この方の息子は、親の働く姿を見ていたためでしょう、大学は関連学科を卒業し、就職先も直接の取引先ではないのですが、大手の同業種企業に就職しました。お互いの意志は確認していませんが、双方とも息子が後を継ぐことは暗黙の了解があります。
 が、この息子さん、20歳代後半ということもあって、まだ結婚されていません。発言小町を考えると、彼は結婚できないことになってしまいます。そうすると、最悪のケースでは、跡継ぎがいませんから、彼の代で会社を廃業するしかなくなります。

 息子さんは結婚されていたとしても、奥さんから後を継ぐことを反対されていたとしたら、事業承継はかなり難しいことになります。奥さんがその会社で働かなくても、精神的に支えてくれれば、または承継に反対されなければ、それだけでも後継者である息子さんは家族のため、従業員のためと思って仕事に頑張ることができます。が反対を押し切って承継したとすると、仕事を終えて家に帰ってきても、くつろぐことが出来ない可能性が高いと思われます。またこれが原因で家庭不和になり、最悪の場合は離婚ということになるかも知れません。
 息子が真面目であれば真面目であるほど、いろんなことがプレッシャーになり、それが経営をおかしくする可能性が高いんです。そうなると廃業じゃなくて、倒産してしまうかも知れません。だったら、後を継がずに定年まで会社員生活を送ったほうがいいということになり、親の代で会社は廃業となってしまいます。

 私は若手診断士から独立の相談をされたときには
 1)奥さんの了承を得ること
 2)円満退社すること
を必ずクリアしなさいと言っています。配偶者がいない私がそんなアドバイスできるのかと思われるかも知れませんが、上に書いたことを考えてみれば当然のことです。今回の発言小町を呼んだことで、奥さんの実家も無視できないんじゃないかと考えるようになってしまいました。
 そこまで根回しをするのは本当に大変なことでしょう。そうなると独立系診断士はいなくなるかも知れません。

 これを簡単に解決させる秘策は、正直なところ思い浮かびません。どうしましょうねぇ・・・。反対しない奇特な女性を捜すしかないのかも。それこそ鉄のわらじを履いて探すしかなさそうです。

 28・29日と金沢に行ってきました。ACT2020という、中小企業診断士の集まりがあって、毎年1回一堂に会するのですが、今年は金沢で開催されたためです。

 中小企業診断士というのは、他の士業とは異なり、診断士同士で客の取り合いみたいなものはなくて、逆に連携して企業をサポートすることが多い資格です。ライバル心はあっても、嫉みなどほとんどないと私は思っています。
 このACT2020は、元々今は亡きパソコン通信のニフティで、一緒に資格取得に向けて勉強してきた仲間が中心となっており、比較的IT、ネット関連に強い診断士が集まっています。今年は「どもども」遠田さんが中心幹事となって、金沢を堪能するツアーを組み立ててくれました。

 台風の影響であいにくの天気だったのですが、28日は金沢は東山界隈を散策。29日の午前中には事例発表や参加者全員から近況報告があり、午後からはオプショナルツアーで21世紀美術館を見学してきました。
 今年は参加者が20名を越えており、非常に盛況でした。

 で、私は相も変わらずカメラマンをやってました。

 懐華樓でいただいた、抹茶セット。
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 懐華樓さんの2階にある金箔畳の部屋。
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 主計町での浅野川河畔からみた町並み景色。
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 29日のお昼に頂いた寿屋の精進ランチ。
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 こうやって、毎年みんなの元気な顔を見ることができると言うのは幸せなことだと思います。またみんながそれぞれに頑張っている姿を見ると、私も頑張らねばと感じます。本当にいい刺激になった会でした。
 昨年は岐阜で鵜飼い見物、今年は金沢、来年は東北で実施予定なのですが、詳しい場所はまだ決定していません。でも必ず来年も参加できるようにしたいですね。

 東京電力から工程表が公表されたとのことで、日経新聞には

東電は事故収束のための課題を(1)原子炉と使用済み燃料プールの冷却(2)放射性物質が含まれた汚染水のとじ込め・処理と大気・土壌中の放射性物質の抑制(3)避難指示区域などの放射線量の測定と低減――に分類。それぞれを3カ月程度での目標達成を目指す「ステップ1」と、それが終了した後に3~6カ月での解決を目指す「ステップ2」に区分けし、作業を進めることにした。
 原子炉の冷却作業では、現在進めている原子炉への淡水注入や水素爆発防止のための窒素注入作業を継続し、最終的に冷温停止状態を目指す。同時に高濃度の汚染水の外部流出を抑えるなどして、半年以降で「避難区域などでの放射線量を十分に抑制する」としている。
と書いてあります。

 私には専門知識がそれほどないので、この工程表の評価はできません。肝はこの工程表をどう認識するかだと思います。必ず守らなければならないものなのか、目標なのか。タイトなものであれば、遂行はかなり難しいでしょう。でも目標と考えて、「極力守るために最大限の努力はするが、守れなくてもごめんね」であれば、納得できるかなと。

 計画を立案・実行し、そのスケジュールを守ることは第一義ではあると思いますが、それが必ず守られるという保証はありません。経営基本管理でも、コンティンジェンシープランローリングプランという言葉があります。計画通りに遂行できない場合をいろんなことを考えるのが当たり前の話です。

 マスコミは今回の工程表をあまり評価していません。「信用できるのか」というのが大半のようです。ここ1ヶ月の動きを見るとまあそういう反応になるわなぁとも思いますけど。

 この工程表、他人事ではありません。普通の企業では事業計画になります。これがきちんと守れればいいのですが、守れないと最悪の場合、銀行に対する信頼をなくすことになります。そうなると新たな融資が認められない可能性が高くなってしまいます。

 東京電力の松本本部長は今日夜の会見で「ぎりぎりになって出来ませんでしたということはない。途中途中で現状を報告して、計画を修正していく」と言っていました。質問した記者は、工程表についての論評(できる、できない)を聞きたかったようですが、現場としてはこの答えしか言えないですし、あり得ないはずです。

 つまりこれはPDCAサイクルをきちんと守るということです。計画を守るためにあらゆる対策をとるが、それでも難しそうであれば、計画自体を見直して、新たな計画を作り実行する。当たり前のことなんです。これは東電の工程表も中小企業の事業計画も関係ありません。

 3月もあと1日ちょっととなりました。日中はかなり暖かくなり、エアコンもいらないようになってきています。でも、今回の震災被害地は東北地方ですから、暖房器具は必須でしょうから、大変だと思います。

 震災から19日、被害を受けたところでも、少しずつ復興作業が始まっています。が、工場や事務所の復旧はなかなか難しそうです。今日も朝のテレビ番組で、ある旅館が店じまいすると伝えていました。地震での直接的被害はあまりなかったのですが、福島原発の影響で客がこないんだそうです。
 大企業でも、原材料が入手困難ということで事業再開ができないところがあるということですから、ましてや経営資源に乏しい中小零細企業にとって、廃業するしかないところもかなりあるんじゃないでしょうか。

 今回のように自然災害の場合、事業を再開させるためには政府の長期の無利子融資しか手がないような気がします。その場合、上限をかなり高めに設定しないといけないでしょう。当然審査はなし。地方自治体から被害を受けた証明だけあれば、すぐさまつなぎ融資を行う。つなぎ融資はそれほど高額でなくても大丈夫でしょう。そしてきちんとした事業計画と見積書が提出されたときに、必要な金額を融通する。
 ここでの重要ポイントは「事業計画」です。これまで黒字だった企業であれば、いままでの事業を継続するだけでなんとかなるでしょう。でも赤字企業の場合は、いままで通りの事業を行っても先は見えています。やはり3年くらいの収支計画ができないところには融資をしない。

 とまあ、考えてみたのですが、一番重要なのは、社長のやる気です。やる気がないような社長の会社には、いくらお金を融通しても意味がありません。貴重な税金をどぶに捨てるようなものになってしまいます。

 
 でも、中小企業で、今回のような自然災害を意識したBCP(事業継続計画)なんて策定できるんでしょうか?。ある程度の被害であれば可能なんでしょうけど、今回のように津波が数Kmにも内陸部に入り込むようなことは考えづらいものがあります。
 今回の震災で、ようやく津波のことを意識することができるようになったんじゃないでしょうか。これまで東海地震は啓蒙されていました。でもこれほど大きな津波が発生して、こんなに大きな被害が出るとは思っていなかったんじゃないかと。
 どこまでを想定するか。今回のような津波が毎年のようにやってくるのであれば、考えなくてはいけません。でも100年単位だったら普通は考えられないはずです。そして、それに対応するためには膨大なコストを必要とします。中小企業では、現実の話として、そんなお金を準備することなんかできません。

 ということは、滅多に起こらないと思われる自然災害については、考えてもムダ・・・と言うと語弊があるでしょうが、そこはもう政府に頼るしかないような気がしています。言い方は悪いですが、中小企業は「そこまで考えられない!」としか言いようがない。

 愛知県、特に三河地方はトヨタがくしゃみをすれば風邪を引くと言われるところです。今トヨタ自動車が生産をストップしている影響を、もろに受けている企業も少なくないと思います。これも震災の影響であることは間違いありません。できれば半年分くらいのつなぎ融資が欲しいところです。でもそこまで頭が回らないでしょうけどね、政府は。

 今回の震災は東北地方だけの話ではなく、日本全体の将来にとって大きな転換点になるような気がしています。そのあたりをきちんと意識したグランドデザインを書くことができる政治家がいないのが、日本の一番不幸なところでしょう。なんだかなぁ・・・。

 今日はひさびさに日付が変わる前に自宅に戻ることができ、これまたひさびさにWBSを見ることが出来ました。
 番組の中で、異業種からの農業支援の話をやっていたのですが、なかなか面白い話でしたね。米粉を使った揚げ物、水蒸気を使った暖房装置、高濃度酸素水が取り上げられていました。番組の中で、これら異業種からの取り組みで、農家の収入アップを図ることが出来るのではと言いたいようです。

 個々の農家においては、これらの取り組みは非常に役立つものだと思います。米粉で米需要を高め、暖房装置でコストを抑え、高濃度酸素水で収量をアップする。良いことづくめのようですね。
 でも、これが日本の農業全体となると、その前に考えなければいけないことがあるんじゃないかと思うのです。
 日本の農業における将来ビジョン、これがなければ上で書いた取り組みが効果的なものにならないと思うのです。つまりそれらは道具であって、戦術レベルのものでも戦略レベルのものでもないのです。つまり5年後10年後の農業はどなっているのかというグランドデザインがあってこそ、道具の有効利用が見えてくるのです。

 私は今の農業では、下手をすると数年でつぶれてしまうのではないかと危惧しています。その一番大きな要因は、農家の規模が小さいこと。産業であれば、家族経営ではなく、法人経営にならないといけません。農業従事者が増えたとしても、それが家族単位という個人事業であれば思い切ったことができません。個人事業は経営資源が一番少ないんです。これが法人として企業規模が大きくなれば、個人事業よりも多くの経営資源を有することが可能になります。

 それもあってか、番組の中で合同会社の話も出ていました。昔は地主と小作人という関係でしたが、今度は経営者と従業員という関係で、農業に従事する。第2次産業、第3次産業では当たり前のことなのですが、それが出来ていないということが一番の問題ということなのです。
 別に個人事業を否定するものではありません。いろんな形態があっていいし、それを国が認めるだけのことです。海外資本にコントロールされるのが怖いのであれば、農業法人の株主は日本人しか認めなければいいことです。

 今回の番組では出てこなかったのが農協。昭和の時代であれば、今の農協の形態でも問題なかったとは思いますが、今は平成の世です。時代の流れとともに、農協自体も変わっていかなければいけないのにも関わらず、外から見ているだけだと、なにも変わっていないように見えます。
 農協に関してはまだ詳細を調べていないので、あまり下手なことは言えないのですが、私はそう思っているということです。

 4月からの新年度では経済産業省としても「第6次産業」として農業支援を行っていくとも聞いています。今の時代にあった農業経営を、私たち中小企業診断士がサポートできればいいなと。私たちのようなコンサルタントを受け入れる法人が増えることを祈ってやみません。

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